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政府の第5次5カ年開発計画(84〜88年)は、国内総生産(GDP)の平均年間成長率6.3%を目標とし、農林漁業、鉱業、製造業、道路・住宅建設、電力・ガス・水道、教育、保健、社会福祉、一般公共サービスなど各分野の開発に重点を置いて実施中であるが、計画初年度の84年は大早魃の影響を受けて、実質成長率は目標額を遥かに下回る史上最低の0.9%に過ぎなかった。
85年は4.1%へと伸び、86年にはこれを上回る5%の成長が見込まれている。
ケニア経済の支柱をなす農業部門は、85年は降雨に恵まれて生産が回復し、3.5%の成長を遂げた。主食のとうもろこし・小麦・米、紅茶、除虫菊など軒並み増産となった。紅茶は国際相場が下落したため、輸出は金額べ一スでは1%増に留まった。
コーヒーは、85年12月以降ブラジルの不作によって国際相場が高騰し、78年以来のコーヒー景気に沸いている。政府は86年には12万トン(前年比40%増)の輸出が可能とみており、外貨事情の好転が期待されている。
ケニアの重要産業である観光部門は、85年には大規模な国際会議が開催されたこともあって、観光客は54万1,000人(前年比67%増)、観光収入は2億900万ケニア・ポンド(85年末現在1ドル=約0.7ケニア・ポンド)に達し、全外貨収入の15%を占めた。

 

 

 

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